なぜキネシオロジーがメンタルの調整に役立つのか
マンシャリールでは、仏教の考え方をもとにし、
キネシオロジーを主体としたセラピーを行っています。
キネシオロジーはメンタルの調整にとても大きな効果を発揮するためです。
理解するには、一度ご体験いただくのが、
「百聞は一見にしかず」なのですが、
なにぶんにも心の中のことなので、
見ただけでは、本当に変化がおきたかどうかわかりません。
私が生きづらさを感じている人に
自信をもっておこなうことができるのは、
ちゃんとした理由があります。
その理由を理解するには、
認知モデルについて知る必要があります。
認知モデル
認知モデルとは、認知心理学の用語で、
世界を理解するために作り上げる仮想の枠組みです。
複雑な世界をありのままを認識するのは
脳にとってとても重労働です。
エネルギーを大量に消費します。
ですから、自分自身や周囲の出来事を認識する際に、
経験や知識、感情、信念などを元にモデルを構築しています。
モデルにあてはめて理解するほうが脳にとって都合がいいのです。
リモコンのたとえ
リモコンを例にあげて、認知モデルを説明します。
普段当たり前のように使っているリモコンですが、
どうしてリモコンを押すとテレビやエアコンがついたり消えたりするのか
ご存じでしょうか?
リモコンの中がどうなっているか知りませんし
その原理を理解している人はそんなにいません。
いちいちリモコンの中に何があるのか理解し、
原理をすべて理解してからでないと使えないのでは、
だれもリモコンを使いたくありませんよね。
しかし、そんなことを知らなくても、
「リモコンを押せばスイッチがつく」
ということだけを知っていれば使う事ができます。
このように中身がどうなっているか、
原理を知らなくても使えるのは、
リモコンを使うのに必要十分な知識が頭の中にあるからです。
この頭のなかにある知識を、認知モデルといいます。
認知モデルはどのようにできあがるか
わたしたちは生まれてからこれまで、
快に感じることを求め、
不快にかんじることを避けようとする中で、
認知モデルができあがっていきます。
例えば、「雨が降っているから傘を持っていく必要がある」
というモデルを持っていれば、雨が降るとき傘を持っていきます。
傘を持って行くというモデルがなければ、 ずぶぬれの中、移動するしかありません。
このモデルは、私たちの思考や行動の基盤となります。
子供の時に、家族関係が良好だった人とそうでない人とでは、
大きくなってから自分の家族をもったときに、
どのような家族を作るかに大きな影響を与えます。
実際に見聞きしたことという非常に狭い世界で
認知モデルをつくるため、
他のパターンを知らなければ、
子供の時の思い込みのまま判断することになります。
認知モデルは変えることができる
子供の時にできた認知モデルのまま 一生を送らなければいけないのでしょうか。
そんなことはありません。認知モデルは修正することが可能です。
それが「学習」です。
知らなかったことを知る、
できなかったことができるようになる、
わからなかったことがわかるようになる、
これらはすべて、 認知モデルの修正の結果おきることです。
認知のモデルは、私たちの経験や学びによって形成されます。
ですから、実際に経験しなくても学ぶことによって、
新しい情報や知識を取り入れ、 認知モデルを修正することができます。
自分たちの歴史や出来事を書き記し、
それにより知識を継承していくことができました。
また、他の人との交流や意見の共有も、
モデルの拡充や修正に役立ちます。
学ぶことによって、より正確で有効な認知のモデルを作り上げることができます。
これにより、より深く理解し、より良い判断をすることができるようになります。
パソコンを習得する
たとえば、私はプログラマーだった時期があるぐらいパソコンが得意です。
すると、パソコンが苦手な人から、
「どこでパソコンを勉強したのですか?」
「どうやったらパソコンができるようになりますか?」
というふうに聞かれるのですが、答えに窮することがよくあります。
だれもが、最初からパソコンの操作方法について、
適切な認知モデルをもっているわけではありません。
子供の頃からパソコンが好きで さまざまな雑誌を読んだり、
テレビなどを見たりして情報にふれていき、
よし自分でやってみようという意欲をもち、
実際に操作して、失敗をたくさんくり返すうちに
認知モデルが徐々にできあがっていくからです。
このように試行錯誤によって認知モデルを作ることができます。
認知行動療法
他にも、認知モデルの修正の例として、
精神科のお医者さんが用いることの多い 認知行動療法があげられます。
認知行動療法の考え方は、
うつ病の人はうつ病になるような認知モデルをもち、
パニック発作を起こす人はパニック発作を起こす認知モデルをもっているとかんがえます。
認知行動療法では患者が無自覚に適用している認知モデルを自覚し、
ゆがんだ認知モデルを行動によって修正しようとするものです。
認知モデルの修正は困難?
しかし、一度学習して、認知モデルができあがってしまうと、
その認知モデルを自分の力で修正することは非常に難しくなります。
パソコンが苦手な人は、
パソコン自体を見るのもいやだったり、
わからないことがでてきたりするので、
新たな認知モデルを形成する前に、諦めてしまいます。
パソコンに対する「苦手意識」のように
ネガティブな認知モデルが 学習の大きな妨げになるからです。
どのようにサポートするか
では、ネガティブな認知モデルを持っている人にたいして、
認知モデルを修正するために、どのようにサポートできるでしょうか?
よく、楽しく勉強するためにゲームをとりいれよう、とする動きがあります。
もちろん、楽しくできることならば、学習に有利に働くので、一理あります。
しかし、すべての学習が楽しいと感じるとはかぎりません。
楽しいという気持ちは脳や体の統合の結果起きたものです。
統合が起きているならば、ゲームみたいなやりかたでなくても
楽しいとは感じていなくても認知モデルの修正に有利に働きます。
体のバランスが崩れていると、
崩れを修復することにエネルギーの大半をもっていかれます。
そのため、脳と体が統合できず、
自分がこれまで持っている認知モデルにしたがって 体が自動的に動くことになります。
その結果、ネガティブな反応を引き起こし、 学習を諦めることになります。
認知の修正には、体のバランスを調整することが大切です。
バランスが調整できているか否かで、
注意力や集中力、理解力などに大きな差が生まれるからです。
そして、わかること、できることが増えたら、
自然に学習は楽しくなるものです。
生きづらさとキネシオロジー
生きづらい人は、生きづらい人特有の認知モデルをもっています。
その認知モデルを修正することでしか、 生きづらさを解消することはできません。
キネシオロジーを使うことには、3つの役割があります。
- 相談者が、目標とする姿に近づくための認知モデルをもっているか、
そして、自分の行動に適用できるかどうかを調べる。 - 体のバランスが楽に制御できる状態をつくり 脳と体の統合状態を作るのをサポートする。
- 生きづらさを克服した認知モデルが適切に修正されたかどうか確認する
私もさまざまなセラピーを調べましたが、
この3つがすべて揃っているセラピーは他にありません。
そのため、キネシオロジーは
生きづらさを感じるようなメンタルの調整に
役立つといえるのです。
個人セッションのなかで仏教を使うのも、
神様仏様にすがることが目的ではなく、
仏教の考えかた自体が、生きづらさを克服するのに
非常に理想的な認知モデルであるからです。
そのため、仏教は自分の生きづらさを克服するのに役に立ちます。
そういった理由から、マンシャリールでは、仏教の教えをもとに、
キネシオロジーを主体としたメンタル調整を行っているのです。